病院長挨拶

初期臨床研修の目的は、専門領域に色分けされる前に、国民が直面するさまざまな健康障害と向き合い、長く診療を行なっていくために医師としての考え方のプロセスとマナーを学ぶことにあります。そのためには、患者さんから先入観なしに適切に情報を取得し、鑑別診断の頻度を考慮して列挙し、指導医と検討したうえ、診断を確定し、根拠のある治療提案をする訓練が欠かせません。当院では、救急外来でのファーストタッチは、指導医のもと初期臨床研修医が対応します。救急外来を受診する方は、多くの場合白紙の状態で診療がスタートします。受診者は、救急車で来院される方を含めて、入院を必要とする率は40~50%と高率で、比較的濃度の高い診療を必要とされる患者群です。救急ですから、診療のスピードも要求されます。大いに診療力を磨いていただきたいと思っています。
 初期臨床研修の到達目標のひとつに、「プレゼン力を涵養する」という項目があります。プレゼンとは、医学的客観性をもって臨床経過をまとめて、他者にわかりやすく説明するということです。患者さんやご家族に病状や治療方針を説明する、指導医と検討する、カンファやCPCで説明する、学会で症例報告をする、論文として投稿するなど、医師は生涯日々プレゼンし続けます。指導医や上級医のするどい質問や指摘を受けて、真のプレゼン力を身に付けてください。当院では、初期臨床医がプレゼンする機会を大切にしています。
                                            上都賀総合病院  病院長             
                                                     十川 康弘